隈研吾の道。
建築家が好きだ。
建築の道に、行きたかった。
コンペにも応募したことがある。
でも圧倒的に、思想と思考が足りない。
地球一周しても足りないくらい。
建築家とは、そんな奥の深いものであった。
建築を学んでいた時代、建築家の建造物を見て、楽しんでいた時期がある。
そんなに多くは見られなかったが、まるで都市の宝探しをするかのように、出会ったときは嬉しかった。
その頃から注目していた建築家、隈研吾。
和が息づく建造物は、写真で見ても、何か目立っていた。
今や新国立競技場を設計した建築家である隈研吾、ここ名古屋でも、伏見の御園座や、隣の信金と、身近に見られるのが嬉しい。
「負ける建築」を提唱する建築家。
伝統文化を大切にし、自然に溶け込む、または自然をそこに存在させる。
なのに目立っている。確かな存在感がある建築。
どういうことなんだろう。
負ける建築なのに、全然負けてない。
輝いている。そして心地いい。安心させる。
それは人の生き方にも似て、何かその道を追いたくなる。
建築家の作品は、街の宝探し、日本の宝探しだ。そして、その宝と一緒に存在できる幸せを、噛みしめる。