瀬戸と陶芸。
陶芸というと私たちには身近なもののように感じるが、実は陶芸という言葉は、陶芸家一人がすべての陶芸の仕事をこなして、初めて陶芸というらしい。
それまでは図案、作陶、釉薬など、分業制だったらしい。へぇ、知らなかった。
だから陶芸家なんて言葉が生まれたのも近代のことなんだなぁ、と思ったり。もちろん瀬戸陶芸については、という但し書きだが、これはどの窯元でも通じる点があるだろう。
そんな奥深い話が聞けたのも、「瀬戸陶芸の黎明」展でのギャラリートークに参加したから。
久しぶりに参加したギャラリートークだが、担当学芸員の方みずからお話を聞けたのがありがたい。
瀬戸陶芸の大きな転換点となったのが、藤井達吉(たつきち)という愛知出身の人なのだが、彼が才能を見出だした若手の長江明治や河本千春の作品や、かと思えば加藤唐九郎とのコラボ(?)作品が見られたり。
加藤唐九郎の黄瀬戸はやっぱり素晴らしかったな。
あとイサムノグチの作品も一点あり。
という津々浦々な作品群の背景にある、いろんなエピソードが聞けました。
ギャラリートークはボランティアによるものしか聞いたことがなかっただけに、もちろんボランティアの方の知識も素晴らしいのだが、でも学芸員の方が、しかも担当者自らというのは熱量が感じられ、何とも贅沢なひとときでした。